TFN 

アマダイ通信 NO.31        2002年盛夏

注)文中に出てくるはアマダイこと不肖干場革治のことです。
(Tile Fish Network Letter)
 知人・友人各位
 サッカーのワールドカップも終り、これからは高校野球の季節。1点づつしか点が入らず目が離せない地道な?スポーツから、間合いがあり逆転満塁ホームランもあるドラマチックな野球へ。暑い夏が続きますが、皆さん体力は大丈夫でしょうか。

◎花咲か爺さん小平用水の対岸も侵略!権利には義務が・・・
 地続きの国有地の小平用水の土手一杯にチュウリップやヒヤシンス、水仙や紫蘭、芍薬等を植えてしまったですが、季節になればバラやコスモスも欲しい、それに園芸店で色とりどりの草花を見ると、百合もダリアも桔梗もと欲望が膨らむ。しかし美しい花への欲望が膨らんでも、110uの我が家の庭が広がる訳ではない。遂に小平用水の対岸も侵略することにする。ペンペン草で草茫々なのだから、しっかり管理して綺麗にしてやらなくっちゃ!?
 植えっ放しにしておくと花が雑草に負けてしまいます。花を植えて楽しむという権利には草をむしるという義務が伴うようになっているのです。それで土日にはよく朝飯前に土手の草をむしります。左右の手で一株づつむしります。指先の運動になっていい、ボケ防止にもなるのかななどと考えている自分に気が付いて吹き出したり、咲き終わった鉢の花を土手に植え変えたりしていると、1〜2時間はアッという間に過ぎます。
 時々我が家から花咲く土手を眺めます。実際問題としてぐるっと回るのも難しいくらい狭い土地一杯に家が建っているので、そこから先の国有地が我が家の庭なのです。自分で作っている“庭”なのだから借景とも言えないのですが、四季折々の楽しみを提供してくれます。難点は土手が東側にあるので、花の後姿を見ることが多いことです。向日性の花は東を向いて咲きます。

◎上を向いて歩こう!・・・週に2度、運?を手で掴む
 花を楽しませてくれた後の草木には実がつきます。花を愛でた後の並木の桜にはサクランボが、ビワにはビワの実がなります。この頃には人様には余り関心を持ってもらえないのですが、鳥達には美味しい季節の到来です。
 柏市の余熱利用施設等でお世話になっている設計事務所の幹部から、前号の通信を読んで頼みたいことがあるのでと電話があり、小田急線の参宮橋の駅前にある事務所へ顔を出す。カンボジャの日本大使館の設計・監理をしているのだが現地の実情は通信の記事の通りだと意気投合。帰り道、駅前の商店街を歩いていると天からグシャっと何やら肩に降りかかる。手をやるとカラスの体内で製造された紫色のサクランボジャムである。見上げればカラスが電柱の上でカーカー笑っている。駅のトイレでハンカチを濡らしていくら拭いても、洗濯屋のビニールカバーを脱がせて着てきたばかりの淡い水色のスーツから、サクランボの色が取れません。
 その数日後、元大蔵省事務次官の田波国際協力銀行副総裁(S34年東大三鷹寮入寮)に、団塊の世代政策研究会(D-NET)の総会の講師を紹介していただこうと、D−NETの荒岡世話人と大手町を急いでいると、今度は天空から黄色のジャムが降り注ぐ。並んで歩いていたのにだけが集中砲火を浴びる。ビワの実のジャムのようだ。国際協力銀行のトイレで何回もハンカチで拭くも臭いが取れないらしく、副総裁室を出ると「臭かったぞ」と荒岡世話人。週に2度も運?を手で掴むなんてことはめったにないから、宝くじを買えというのだが。
◎ラインで思う・・・公共投資とは?
 3月の年度末のカンボジャに続いて、5月の連休も大学生の娘と外国で遊ぶ。1昨年のクリスマスにはニューヨークへ連れて行ったし、アジアへは娘一人でも何回も行っているので、ヨーロッパも見せてやることに。百聞は一見に如かず、何よりの教育投資だ。は去年5月の連休にロンドン・パリ・ローマの3都を巡り、夏休みに北欧を旅しているので、今回は独墺をと「ロマンチック街道とザルツブルグ&ウイーン8日間」なるツアーに二人で参加する。ハイシーズンに二人で旅するのは高くつくが、平日ではクライアントに迷惑を掛けるし、失われる日給を計算すると連休に出掛ける方が安くつく。金がなくなったら目刺しを食らって発泡酒を飲めばいい。なりの計算をして機上の人となる。
 昨夏の北欧旅行ではバンコック乗り継ぎの南回りの長旅で参ってしまったが、今回はフランクフルト直行だ。幸い窓際の席で、眼下のシベリアはまだ雪景色だ。行けども行けども人の気配がせず、蛇行しながら時に青緑に輝く川だけがそれとわかる雪原が続く。所々定規で引いた様な直線が走る。道路だろうか、鉄路だろうか。ニューヨークへ飛ぶ機内から見下ろしたアラスカやカナデイアンロッキーの冬景色も圧巻だったが、人間を寄せつけない自然が続く。カナデイアンロッキーに比べるとなだらかな丘陵に見える、多分ウラルの山波だろう。そこを越えると、雪を薄く被った広大な耕地が広がる。ドーバー海峡をユーロスターで潜ってフランスへ抜けた時もその大地の平坦さ、広さに驚いたが、これでは並のことでは日本の農業はコストで太刀打ちできない。
 小雨の肌寒いフランクフルトに降り、直ぐにバスでライン川沿いにリューデスハイムへ。翌朝2時間ほどライン下りを楽しむ。何と言うことのないローレライの岩にはがっかりするが、2時間の間両岸を結ぶ橋が一本もない。両岸には道路と鉄道が平行して走るが、両岸を結ぶのはフェリーだけである。日本なら一つの町に最低1本は橋を架けてしまうのだろうが、文化遺産、観光資源としての古城は沢山維持されているのに、橋は一本もない。異論がない訳ではないのだろうが、ここに彼我の差が表れていないだろうか。

◎百年先の観光資源を!・・・皇居移転で古城と大庭園の東京観光を!?
 2時間ほどで船を降りてバスでハイデルブルグへ。そこからは古城街道ということで古い城や教会を見がてら、ローテンブルグからロマンチック街道を南下して、音楽の都ザルツブルグを経てウイーンへ入る。ジャガイモとソーセージ、ビールの単調な食事でよくも沢山の城や教会を作り、後世に残したものである。ロンドンの食事も美味しくなかったが、それ以上だ。彼等には食事を楽しむことはできても、食物は単なるエネルギー源としてしか興味がないのだろうか。食べ物自体を楽しむということは知らないのだろうか。
 石造と木造という彼我の建物の違いもあるのだろうが、中世以降の数世紀によくも立派な城や教会、財宝を沢山残したものである。富が領主や教会にかくも集中する裏には圧倒的に多数の収奪される民がいた訳であるが、その遺産が後世の民の糧として役立っている訳である。勿論それを維持する努力あってのことであるが、ヨーロッパにしても中国、カンボジャにしても、沢山の古城や古寺が世界中から観光客を集め、後世の人間を食べさせている。先祖の遺産に頼って駄目な奴等めと思う反面、意図したわけではないだろうが、多分、後代へのツケとなる公債を大量発行したりすることもなく、子孫の飯の種になる立派な公共事業をやってくれたものだと感心もする。
 昨今、日本から出て行く観光客の多さに比べ、日本に来る観光客の少なさが言われる。物価の問題もあるが観光資源の少なさ、その売り出し方のまずさもあるのだろう。この十年、不況対策ということで道路やダム、箱物中心に公債を大量発行してせっせと公共事業を行ったが、余り効果が出ていない。又、これらの成果物が後世に外国から観光客を呼び込んで子孫を潤わせるとも思えない。景気回復と首都の過密解消の切札として首都移転が叫ばれ、国会に委員会まで設けられたが、この不景気に財源をどうすると言われ、立ち消えになりそうである。しかし、国家百年の計に立てば十分検討に値するプランである。せめて首都機能の全面移転が不可能なら、皇居を移転する、或いは国会も移転するということはどうであろうか。皇居が移転すれば東京の土真ん中に古城と自然豊かな大庭園が出現し、国民の憩いの場、一大観光資源ができる。天皇陛下には山紫水明の地の使い勝手のいい新しい皇居に移ってもらえばいい。かっては遷都が頻繁に行われたのであるから、代変わりの度に新しい宮城を造るというのも一計であろう。又、国会を移転すれば政と官が物理的に距離を置くことで宿年の弊である政官業の癒着を廃し、現議事堂を憲政博物館に変えて観光資源として利用できる。議員会館は最新情報の集中するインキュベーション施設として新技術、新産業開発に利用し、議員宿舎はホテルとして公開すればいい。
 霞が関まで全面移転するとなると費用も膨大になるが、皇居だけ、或いは国会までの移転ということであれば数兆円の費用で済むのではないか。財源を国債に頼ったとしても、これまでの6百兆以上の公的債務に比べれば僅かではあるし、これまでの公共事業の大盤振る舞いが効果を発揮しなかったのは従来の延長でパフォーマンスの悪い土木事業に金を注ぎ込んで来たからである。数兆円で子々孫々まで潤う一大観光スポットを創り出し、併せて有効需要を創出して雇用を拡大することができる。国民にとって最大の経済的損失は有能な労働力が有効に使われないということである。使われない限りこの瞬間も失われて行く労働力を有効に活用し、後世にまで役に立つ皇居や国会を新しく造り、併せて観光事業の振興まで計ることができる。石原東京都知事は首都機能移転に反対しているが、東京に政治経済都市の衣だけでなく文化観光都市の衣を着せることができるのだから、納得できる提案ではないだろうか。干場寮委員会の名食事委員であった石原知事の知恵袋の渡辺日佐夫東京都企画調整部長(S42年東大三鷹寮入寮)や、観光政策にも関わる丸山博国土交通省政策統括官(S43年東大三鷹寮入寮)等、関係各位のご意見は如何でしょうか。

◎道路公団民営化より高速道路を無料に!
 今回のドイツ・オーストリアの旅は殆どバスだったので、アウトバーンをよく利用した。一度だけ、事故で対抗車線が大渋滞していたが、それ以外渋滞を経験することはなく、長旅を快適に過ごすことができた。これは日本ではよくある出口での渋滞がないからである。出口渋滞を解消しようと料金自動徴収システム(ETC)を導入し、出口の1車線をETC専用にしたら、利用者が少なすぎてかえって渋滞が深刻になるという、笑えない現象が起きているが、これも料金徴収を止めてしまえば済む話しである。
 日本では高速道路は有料であるということを前提に、道路公団をどうやって民営化するか議論しているが、世界中の高速道路が有料という訳ではない。ドイツ・オーストリアの他にアメリカも高速道路は無料であるし、インドも無料である。中国は有料で今どんどん高速道路を造っているが、走る車がまだ少ないので高速道路での渋滞は見掛けない。中国では徴税体制も不備で国庫になかなか税金が入らないし、自動車の台数も少なく少数の人間しか利用しないので、料金を徴収してそれを建設費にあてなければならないのだろう。しかし、日本では特定の人間だけが高速道路を利用する訳ではない。車を持たない人間でさえ、宅急便や郵便輸送、店で購入する商品の高速道路での輸送という形で料金を間接的に払っているし、造り過ぎて地方では利用度の低さが問題になっているのだから、高速道路料金とうい別の形の税金を取る必要はないのではないか。必要なものは税金で造るということにすれば、その使途についてもより監視の目が届くようになるのではないか。
 又、高速道路を無料にすれば料金徴収所を造らなくてもいいので建設費用が安上がりであるし、徴収するための人件費を初めとした経費は要らないので低コストで運営できる。出口渋滞がなくなれば利便性も大幅にアップし、通行量も各段に増えるのでサービスエリアでの売上も増え、その上がりでトイレや清掃等のサービスを向上させることもできよう。
◎中国は一つか
 イオングループのジャスベル主催の中国植樹ツアーに、NPO法人「緑の地球ネットワーク」(GEN)の山西省大同市のかささぎの森での植樹と地球環境林センターの見学を組み込んでもらったので、GEN世話人のも同行して6月28日から7月4日まで中国出張。今回が6度目だが初めて体調無事に過ごす。GENのボランテイアのツアーと違い四つ星クラスのちゃんとしたホテルに泊まり、食事も農家でご馳走になったりしなかったからか、それともさすが6度目での体も慣れたのだろうか。
 この4年間で6度、併せて一か月半ほどしか滞在していない中国だが、沿海の都市部の目覚ましい発展と遅れた内陸の農村部の格差が益々開いて行くように感じる。又、沿海部、内陸部の中でもそれぞれ格差が広がって行くようだ。例えばGENの大同市内の地球環境林センターでの日雇いの作業員の日当は7元(1元15円ほど)だが、今回案内してくれた外語学院を出て2年目の、流暢に日本語を話す24歳の中国人添乗員の年金(年収)は日本円で30万円(2万元)とのこと。2008年のオリンピックも決まり、北京は至る所で道路を掘り返し、人海戦術で高速道路を作り、高層ビルを建てている。それで彼等の日当はと、バスから見える道端に座り込んでドカ弁を食べる労務者を指すと、1日10元だと言う。年間300日働いても3千元である。大同など内陸では日当7元でも仕事にありつけない人間が沢山いて、北京に出稼ぎに押し寄せるので底辺の日当は上がらず、一方、中国に進出する外資等が多いので専門技術者や管理職の給料は上がる訳である。サイトという有名なデパート近くのマンションに居を構える能代高校同級生の杉山(旧姓佐藤)家で今回も夕食をご馳走になってしまったが、最近そのデパートでロールスロイスを5台売り出したところ、アッという間に売れて、次の売り出しにエントリーしている者が2百人以上いるのだという。            
 日本では日本は一つか?などということを意識することはないのだが、中国で沿海の都市部と内陸の農村部の格差がこれだけ開き、又、沿海部、内陸部の中でもこんなに格差が広がって行くと、中国は一つの国家で、そこに住む人間は皆な同じ国民だという認識を持つことが益々難しくなるのではないのだろうか。だからこそ、事あるごとに「一つの中国」ということを声高に主張し、わざわざ外国にも認めさせようとするのだろう。まして民族構成も複雑だから尚更である。

◎今秋広島、岡山でも黄土高原写真展
 昨年JR西日本、JR東海の全面的なご協力で京都、大阪、名古屋の駅ビルで写真家の橋本紘二さんの黄土高原写真展を開催していただき大盛況でしたが、この9月20日(金)から26日(木)までJR西日本の全面的なご協力を得て広島の駅ビルでも開催することになりました。場所は新幹線を降りた1階のコンコースを予定しています。その後、岡山の駅ビルでも開催していただくことになっています。新幹線で出張の方、広島、岡山在住の方は是非御覧になって下さい。又、受付などでご協力いただける方は緑の地球ネットワーク(06-6576-6181)までご連絡いただければと思います。
 内陸中国の実情を知っていただき、地球環境問題と黄土高原緑化の意義を訴え、併せて環境負荷の少ない交通手段としての鉄道をPRする趣旨ですが、国内で一通り終えたらいよいよ北京や上海でも写真展を開く予定でいます。「豊かな中国」の人々にこそ、「もう一つの中国」の現実を知っていただきたいと思うからです。

◎植林はいいことか?・・・再び「黄土高原だより」から
 荒涼とした砂漠に木を植えて緑のオアシスに変える!素敵なことのように思えるのですが、実はそれが・・・以下は緑の地球ネットワークの高見事務局長の「黄土高原だより」(gentree@ma.kcom.ne.jp:NO.141)からの孫引きです。

 何度も書いたことですけど、今年の大同は風砂がすごかった。テレビは朝から晩まで、緑化のニュ−スを流しました(なんていっても、朝から晩までテレビをみていたわけではありません)。緑化が新聞の記事にならない日もありません。でも、パタ−ンが決まっていて、新鮮味がない。そんな記事のなかに、「科学が『生態の債務』を返す」というコラムがありました(大同日報)。力卿という署名があります。遠田宏先生がみつけて、教えてくれました。長くはないので、全文を訳しておきましょう。

 「数年来、砂嵐がひどくなって、経済被害が発生し、人びとの生活にも影響がでている。ひんぱんに現れる風砂は、長年らいの『生態の債務』を、いつかは返さなければならないと、人びとに自覚させているようだ。砂嵐が荒れ狂うときは、政府の官員から一般庶民まで、少なからぬ人が、砂漠に行って木を植えようと考える。森林の防壁をつくることで、『砂の悪魔』を封じこめようというわけだ。そのような熱情が、上から下まででてきたことは、悪いことではない。しかし、風砂を防止し、生態を改善することは、ただ熱情にまかせていい問題ではない。科学的に考えなければならないし、自然の法則にしたがう必要がある。
 環境専門家の分析によると、風砂の発生源は乾燥地もしくは半乾燥地で、降水量がきわめて少ない。適合するのは草本と灌木だけである。自然の条件を無視して、大面積に植樹しても、活着しないだろう。活着したらしたで、そのあとずっと、人工的に灌水する必要がでてくる。報道によると、ある地方で耐乾性の新しい樹種を推し広めたことがある。根系がとてもよく発達し、沙漠の深いところから水分を吸い上げる。その結果、そこの地下水位はさらに低下し、ほかの植物が大量に枯れてしまった。このような『生態建設』は、資金の浪費であるだけでなく、生態環境をいっそう悪化させる。
 筆者が思うに、『生態債務』の返済は、かならず科学の法則にしたがい、客観条件を尊重しなければならない。森林が可能なら森林にし、草がいいのなら草にする。自然の条件を無視して、やみくもに木を植えると、その結果は『以前の債務を返さないうちに、新しい債務をふやす』ことになるだろう」。

 ちっちゃな記事ですが、インパクトがあります。緑化、緑化の大騒ぎのなかで、書くのも、掲載するのも、勇気のいることだと思います。でも、こういうものはいったん出ると、力をもつようになります。中国人の「合理主義」は、結構なものです。日本でも、中国の環境問題にたいする関心が広がってきました。国際協力や援助、とくに中国にたいするそれが縮小するなかで、環境分野は広がる傾向にあります。沙漠化防止とか、植林緑化は、その目玉のようです。民間団体の取組もふえてきました。とっつきやすいからでしょう。ロマンもあります。私も、最初はそうでした。他から反対されにくいし、緑化だったらシロウトだってやれる。そんな思いもありました。なんと軽薄だったことか。そのあと、イヤというほど知らされました。本当のところ、緑化ほど、ワリの悪い仕事はありません。悪い結果はすぐにでるのに、いい結果がでるには、時間がかかります。木が育てばそれでいいかというと、そうともかぎらない。さっきのコラムが指摘する通りです。森林ができれば、保水性が高まり、水源涵養力が強まります。森林を、「緑のダム」と形容することもあります。雨の多い日本では、それが常識です。でも、降水量より蒸発量がはるかに大きいところで、同じことがいえるでしょうか?木が育てば、降った雨を地中に蓄える作用は、高まります。その一方、樹木は地中の水分を吸い上げ、蒸散させます。木を植えることによる水収支は、どうなるでしょう?ずっと気になっていますが、適当な調査方法がみつかりません。
 乾燥地・半乾燥地では、あえて順位をつけるなら、水・土・緑なんだと思います。一番大切なのは、水なんです。その地下水を汲み上げて、育つかどうかもわからない樹木にかける。育ったとしても、水収支からみて黒字かどうかわからない。北京では、街路樹のポプラに、散水車がたっぷりと水をやっています。スプリンクラ−もあちこちでみかけます。でもそれは、全国に支えられる首都・北京だからできることです。ものごとは、色んな角度からみる必要があります。自信、確信、使命感は、ないと困るけど、ありすぎるのも困ります。ロマンで仕事はしないほうがいい。少なくとも、よその国まででかけては・・・。プラス面があるなら、マイナス面もあるでしょう。オドオド、オドオド、ウジウジ、ウジウジ。それくらいがちょうどいい。自分自身にいっている言葉です。

◎カモメール・・・『パウエル リ−ダ−シップの法則』贈ります
 駒場の学生時代からの友人で、と一緒に団塊の世代政策研究会(D−NET)の世話人をする異才、出版企画会社同文社社長にして路上観察学会事務局長、翻訳家でもある前田和男氏が最近翻訳書を出しました。『パウエル リ−ダ−シップの法則』(KKベストセラ−ズ、原著はマグロ−ヒル刊、1700円、四六上製336ペ−ジ)です。今年の版カモメールの景品はいつもの故郷八森の特産品とは趣を変えて、東京の地場産業?の出版物とさせていただきました。当選番号は事務所も読者の皆様のご支援のお陰で無事1年存続することができましたが、更なるご支援で2年目も継続したいということで、下2桁02番とさせていただきました。有名書店で平積みで売られている本ですので、既に手にされている方もあるかと思いますが、そんな時は2冊目は友人にでもプレゼントしていただければと思います。6月2日(日)付け毎日新聞全国版に本書の書評がのり、その後、日経ビジネス、日経ベンチャーにも書評がのりました。外れたが是非読みたいという方は紀の国屋、旭屋などの大型書店に置いてありますので、お買い求め下さい。
 ところで、パウエル米国務長官は今世界でもっとも注目されている人物といってもいいでしょう。本書は、そのパウエルのリ−ダ−シップに焦点をあてたものです。先日のNHK特集「変革の世紀」では、ピラミッド型組織の典型とされてきたアメリカ陸軍が、現場の兵士に権限を委譲するという革命的な改革に着手しており、これにフォ−ドなどの巨大企業もならいはじめていることを紹介していました。そもそもこの改革を準備した男こそ、かつてベトナム戦争の最前線でピラミッド組織の弊害を知らされたパウエルでした。現在のパウエルのポジショニングと思想には必ずしも賛同できなくても、21世紀のリ−ダ−として、要ウオッチであることは認めざるを得ないでしょう。前田氏は翻訳してみて、次期アメリカ大統領選挙は、初の女性大統領を狙うヒラリ−・クリントンと、初の黒人大統領を狙うコリン・パウエルの争いになるのではないかとの確信を深めたとのことです。

◎路上観察から21世紀の街道(まちみち) を考える
 中山道宿駅制度4百年記念シンポジウム 〜提言・人と街をつなぎ文化を創る〜 
新世紀を迎えて、街歩きの達人「路上観察五人衆」が宿駅制度400年の節目にあたり、中山道六+九次を踏査中です(第2回調査(2002 年7月26日〜28日)  坂本〜軽井沢〜塩尻)。その成果を紹介し、道の持つ多面的文化機能を再発見し、21世紀の道の役割と、意味を考えます。
日時 平成14年8月27日(火)13:30〜   入場無料!
会場 日経ホール  (東東都千代田区大手町1-9-5 日本経済新聞社8F)

★第1部 中山道路上観察品評会
 パネリスト:赤瀬川原平(作家、美術家)、藤森照信(東大教授・建簗史家)、南伸坊 (イラストレーター)、林丈二(作家・デザイナー) 、松田哲夫(編集者)
★第2部 パネルデイスカッション
 問題提起「歴史に学ぶ道の未来」  講演:大石久和(国土交通省技監)
 デイスカッション「路上観察から21世紀の街道を考える」 パネリスト:赤瀬川原平、 藤森照信、南伸坊、林丈二、松田哲夫、田中優子(法政大学教授)、大石久和
 コーディネーター:森野美徳 (日本経済研究センター主任研究員)
 定員 400名(先着順に入場券を発送、定員になり次第締め切ります)
 応募先: 中山道路上観察シンポジウム実行委員会(主催) FAX027-254-9906
 問い合わせ:027-254-9955
★21世紀の街道を考える
 明治の近代化以来、道路のもつハードウエアとしての充実に力が注がれ、それによって豊かな社会の繁栄が築かれました。しかし物をより速く、より効率的に運ぶだけが道の機能ではありません。古来、道は人と人を交流させ、様々な文イヒを育て伝え、街の賑わいをつくり出して来ました。21世紀において、多様化する国民のニーズ、経済、社会の変化に積極的に対応し、経済・社会・生活を支える道路の持つ様々な機能を最大限に発揮できる道路政策が期待されています。「中山道路上観察」も「奥の奥道路上観察」と同じく共同通信から全国に発信され、全国の地方紙に掲載されます。

◎第5回ランチタイムコンサート・「トキコ」と歌おう
 東大三鷹クラブでは新名簿発刊を記念し、第5回ランチタイムコンサートを開催します。奥さん、ご家族の皆さんも誘い、一緒に楽しい時間を過ごしませんか。再びプロのお登紀さんの小林旭流「北帰行」と正調「北帰行」(元々は寮歌)を歌い比べてみませんか?! 久し振りのランチタイムコンサートとなります。7月20日(土)の昼下がり、お登紀さんのコンサートとしては3回目ですが、場所は前回までと同じロシア料理のテアトロスンガリー青山で、飲み物つきです。勿論?ウオッカも。長引く不況の今こそ気心の知れた仲間と、あるいは家族同伴で楽しく過ごすことで明日への活力が生まれるというもの。会費の方は前回のコンサートのカップルで2万5千円を、今回は三鷹クラブ特別会員のお登紀さんのご協力で思い切ってダウン、デフレ対応の2万円としています。
 お登紀さんの歌とロシア料理を堪能した後は、CD・書籍の販売、サイン会、更にはツーショットも。歌い比べんと思う方は北帰行や、琵琶湖就航の歌、知床旅情に磨きを掛けて、奮ってご参加下さい。
 日 時 7月20日(土)1時開場、1時半開会・会食
 場 所 テアトロスンガリー青山(営団地下鉄表参道駅 03−3475−6648)
 会 費 一人1万2千円、二人目より8千円
 申込み 干場革治(S41年入寮、FAX 03−5689−8192、03−5689−8182
 メール:tfn-hoshiba@blue.ocn.ne.jp泣eィエフネットワーク)迄

アマダイ通信メニューへ戻る→
Copyright (C) 2002 TFN All Rights Reserved.