|
アマダイ通信 NO.22 2000年夏 |
| |
注)文中に出てくるはアマダイこと不肖干場革治のことです。 | |
(Tile Fish Network
Letter) 知人・友人各位 暑中お見舞い申し上げます。7月も旬日を過ぎ、梅雨明けもそろそろかなと思います。5月の連休に万里の長城に木を植えるツアーに参加し、昨年来、水不足の中国を3度も実感すると、鬱陶しい梅雨も万物に命を与える恵みの雨に思えてきます。降り過ぎると“時により過ぐれば民の嘆きなり、八大龍王雨やめたまえ”(実朝)となりますが、お互い、瑞々しく元気に生きたいものです。 ◎グリーン豆腐贈ります 通信の20号を年賀葉書の代りとし、官製のお年玉に代え、八森漁協特製の甘鯛の一夜干しセットを抽選で贈ったところ好評でした。そこで今回は水色の封筒におシャレに(?)カモメをあしらい、カモメールと洒落てみました。景品は今回も故郷への思いを込め、八森中学校の同級生松岡清悦君の松岡食品特製の“グリーン豆腐セット”にしました。21世紀のスタートの2001年にあやかり、今回は封筒の表に刻印した番号の下2桁01番の方を一足早く当選者とさせていただきます。 因みにグリーン豆腐はきな粉などに使われる青大豆を原料とし、ほのかに感じる豆の甘さと絹のような舌触りが持ち味です。地元産の青大豆の味の良さに着目した松岡君ですが、豆腐作りに適したものがなく苦労したようです。東奔西走、試行錯誤を繰り返し、県の農業試験場を動かして「秋試緑1号」という新種の青大豆ができました。百%八森産の青大豆を使ったグリーン豆腐3個、大潟村産の無農薬・有機肥料の白目種を使った好評の「秋田の大豆(絹・木綿)」各2個を贈ります。いずれも白神山地の地下水と沖縄産の天然ニガリを使ったこだわりの逸品です。伊豆産の天草を使ったところてん3個も同梱します。これで計2千円(送料別途:東北6県5百円、その他6百50円)。当選して美味しいと思った方、外れたが食べたいと思う方は松岡食品(〒018-2690 秋田県山本郡八森町字古屋敷43-3 0185-77-2024)迄。 子供の頃は夏の海に潜って天草やふのりを採るといい小遣い稼ぎになったのに、ところてんの原料の天草は伊豆産です。松岡君によると米代川流域の下水処理が進まないので、汚水が海に流れ込み天草を枯らしたと言います。山が荒れたからだという人もいます。多分両方だと思いますが、子供の頃と海の植生はすっかり変わっています。集落の先の海は家庭排水で富栄養化したせいか、固くて食べられないアオサが底も見えないくらい繁茂し、沖合や、集落から遠いところは白く固い石灰質のサンゴ藻が岩を覆い、海草の姿は余りみられません。去年の夏、薄暮の日本海に遊び、思いがけずアワビを手掴みで採った時も、モズクを食べ切れないほど採っておふくろを喜ばせた白岩には1本の黒髪も生えていず、日本海の夕焼けを背に寂しい思いをしました。公共事業と称して不必要な道路や堰堤、テトラポットをこれ以上作るより、豊穣の海を復活させるための投資こそ必要です。道路や堰堤に金を注ぎ込むことで、他の有効な機会を失うことを考えるべきです。使えるお金は限られます。無駄金を使って過疎化を嘆くより、地元の優れた資源を復活し、それを生かして働く場を作り出すことが必要だと思います。 ◎北川三重県知事を迎え、Dネット5回目の誕生記念会開催 都市部で自民党の高齢実力者が多く落選し、野党の若い候補者が多数当選した今回の総選挙で、大都市と地方という地域軸と、高齢層と若年層という世代軸に沿い大きな断層があることが明らかになりました。又、与党では団塊の世代中心に世代の交代が進み、民主党の当選議員の平均年齢は50歳を下回りました。団塊の世代は地方型高齢層と都市型若年層の間で、二重の意味で分岐点に立ったと思います。高齢層と若年層、地方と都市のどちらにつくか、あるいは両者の橋渡し役を演じ得るのか。団塊の世代はまさに岐路に立っていると言えます。団塊政策研究ネットワーク(Dネット)の第5回年次総会は、記念講演に北川正恭三重県知事を迎え、「地方自治体の行政改革」についてお話していただきます。終了後、知事も参加して懇親パーティーを開催します。 日時 7月21日(金)5時半〜9時 場所 弘済会館(JR・地下鉄四谷駅下車) 会費 7千円 ◎東京港ぐるっとひとめぐり/変貌するレインボータウン・・これからの街作り 最近もヴィーナスフォート、アクアシティ、ジョイポリス等の集客施設が次々とオープンし何かと話題には事欠かない人気のスポット、臨海副都心レインボータウンを舞台に、第5回Dネット年次総会に先立ち、記念の視察・研修会を開催します。先ず、金丸元副総理等も乗ったという白亜の豪華視察船「新東京丸」を借り切り、海から1時間視察します(悪天候の場合は変更又は欠航)。 時代の波に翻弄されてきた臨海副都心レインボータウンも、石原知事の下、新しい発展の緒につきつつあります。視察終了後、開発責任者の渡辺日佐夫東京都港湾局開発部長(S42年東大三鷹寮入寮)に21世紀、IT時代の街作りについてレクチャーしていただきます。 集合日時 7月21日(金)12時半(時間厳守) 集合場所 東京港竹芝埠頭 (JR・地下鉄新橋駅〜新交通ゆりカモメ竹芝駅下車) 緊急先 090−4608−4519(干場)、03−5320−5524(港湾局) ◎五月際に鳩山由紀夫民主党代表登場 鳩山民主党代表との対談に一度はOKをいただいた加藤紘一元自民党幹事長に出席を断られ、小渕首相の急死で総選挙にも突入、これでは鳩山代表の出席も見込めないと、五月祭の講演会を諦める。ところが真近かになって鳩山事務所から「あれどうなっている?」と思いがけない問い合わせ。この意外性が由紀夫ちゃんのいいところだと、三鷹寮の学生諸君と慌てて準備にとりかかる。主催の寮生の強い希望でテーマを教育問題に絞り、寮生も壇上に上がって対話する形を取る。当日5月28日の日曜日は雨模様で、会場の工学部大講堂周辺は工事用の柵で囲まれ、出入り口がよくわからない悪条件にもかかわらず、4百人ほどの聴衆で会場はほぼ一杯になる。司会は後援のDネットを代表して小生が務める。 ★鳩山代表基調講演 私は学生時代このキャンパスで勉強し、その後アメリカのスタンフオード大学に留学して、帰国後東工大の教壇に立ちました。今、久し振りに母校に帰って教室を眺めると、ここでよく学べるなーと感心してしまいます。自分たちの学生の頃と余り変わらず、古くて、暗くて、汚れ放題です。酷い勉学条件です。 教育を考える時に、初等・中等教育と高等教育を分けて考えると、日本の初等・中等教育は成功しているとは言えません。早い段階から受験競争に明け暮れ、高校で飽和状態になり、知識の全体量は横ばいになります。小中で人生観とか躾をしっかり身につけさせて詰め込み教育をしないでいると知識に飢えて、大学に入り猛勉強するようになります。スタンフオードの大学院に留学して、夜は学生は酒でも飲んでいるだろうと思うと、必至で勉強しています。これでは日米の差はどうしようもなくつきます。日本は大学院は付け足しで大学中心、失敗者を作らない、皆が出来る教育です。経営でも極力失敗者を作らない社会です。東大出の官僚が又、前例がないとやらない。前例がないものこそ、新しい活力になる。アメリカでは失敗はやりなさいという、ドンドン新しいことをやりなさいという。今日本では1日平均百人くらいの失業者が自殺しています。癌で死ぬ人の数を追い越してしまいました。国際的な大競争の中で、これまでのやり方は許されなくなっています。アメリカ式を学ばなければなりません。日本は点数主義と言いますが、アメリカの方がもっと厳しい。アメリカの大学院では週末にホームワークが出て、それをしっかり勉強すると自然に点数が取れるようになっています。試験の時に評価用の紙が渡って来て教師を採点します。教師に自分達の望むカリキュラムを作らせる、親身に授業をするようにさせる。反対に日本は教育は教師が勝手にやる。学生がついてくればよいという態度です。 初等・中等教育では自分とは何なんだろう、将来何をやりたいのかを徹底的に磨いて行くためには今の学習指導要領ではいけません。更に半分減らしてもいい。必要最小限学ばせればいい。今の様な教科書も必要だろうか。一人一人に合わせた教科書が必要ではないか。大量生産式の教育はやめ、ダブルテイーチャー制を取り、個々の生徒のスピードに合わせるようにするべきです。そして大学での適性、学ぶべき分野を見極める、登っていける人生の階段を見つけさせる、そういう教育であるべきです。 最後に政局との絡みで一言、言わせて下さい。あなたがいじめを行っていたら、いじめはいけないよと子供に言えますか?平然と嘘ついていて、道徳教育が大事だと言っても、子供が“はいわかります。総理大臣”と言うでしょうか。私の選挙区には有珠山があって、自民党の野中幹事長がわざわざ行って“この選挙区には公共事業は要らないと言っている人がいますね”と言っています。公共事業が欲しければ自民党に票を入れなさいという訳です。これはいじめです。しかも税金をあたかも自分のもののように扱っています。完全に権力を使ったいじめです。 ★討論(敬称略) ヤニス 日本の試験システムでは、自分の意見がなぜ正しいか説明する能力がつかな(フランス)い。エコールノルマルの卒業試験では4時間ほど教官を前に口述させられる。鳩山 日本では答えが一つのものを教える。どれが正しいかわからないものを教える、発表する機会が欲しい。教師もそんなことには慣れていないが、教師もそこを勉強すべきだ。 王(中国) 日本の高校に1年留学して東大に入った。同じ年齢で皆一斉に入学、進級する。それでは自分の個性、能力に合わないのではないか。中国では飛び級がある。日本で飛び級を導入するのはどうか。 鳩山 非常に悩んでいる。果たしてステップを踏む必要があるのか。能力に合った勉強をする権利を考えると、飛び級があってもいいと思う。現実にいくつかの大学で高2の終りに入学を認めている。高校の中では認められないが。ただ、教育ママが自分の子は能力があるから飛び級システムに挑戦しなさいと、けしかけるようにならないか、非常に心配だ。皆が飛びつくと子供達がもっと悲惨な状態にならないか。 宇都宮 飛び級は悪しき平等を打破するのにつながらないだろうか。皆同じ年齢で上がるのでは、標準の所に合わせなければならないし、遅れる者にはもっときつい。飛び級システムは日本が変わって行くのにも合うのではないか。 鳩山 その通り。日本人の悪しき平等、没個性、異質のものが入ると排除する体質では新しいものを生み出さない。能力に合わせた教育をする必要がある。それに合わせて教師の免状、養成・研修制度等も変える必要がある。 砂田 (上底+下底)÷2×高さという台形の面積の出し方の公式を小学校の学習指導要領から外すというが、どんなものか。ただ覚えさせるのでなく、どうしてそうなるのか、ゆっくり教えるようにすべきではないでしょうか。 鳩山 良くわかります。円の面積を出す時のπの公式がなくなり、円周率を3と教えるのも飛んでもないことだと思います。数学の正しさを、何でπなのかを教えるのが教育ではないか。公式だけを結論として教えるのが教育なのではない。果たして教える側が本質を理解しているのか。教育者自身が変わる必要があるのではないか。教育者自身が本質を教える意味を考えて欲しい。 干場 下世話なことで済みませんが、会場の皆さんも聞きたいと思っている質問を最後に一つお願いします。巷間言われる弟の邦夫さんとの仲違いの話は実際のところ、どうなんですか。 鳩山 敵が喜ぶことを聞いたりして、干場さんは敵なんですか、味方なんですか。干場 以前駒場祭で、三鷹寮の諸君と一緒に由紀夫さんと邦夫さんに対談していた だいた時に、すごい人気で長蛇の列となり、会場に3百人ほどしか入れず、半分以上の方に帰っていただいたことがありました。新党を結成して、お二人で何かするんじゃないかとすごい期待があったと思うんです。そんな企画をした者としては、あんなに期待があったのにどうなっちゃったのかと。 鳩山 反論すれば、喧嘩することを喜んでいる者を利するだけなのですが、敢えて言えば、今、自民党に戻るくらいなら、どうして邦夫は民主党の結成に参加したのかということです。非常に残念です。 ◎トモ子ちゃん国会へ 総選挙がようやく実施され、団塊政策研究ネットワーク(Dネット)の会員の皆さんも大変忙しかったことと思います。なぜか公示直後の6月14日に設定されていたDネットの勉強会には、世話人すら満足に集まれない状況で、会員の皆さん、講師の先生には大変失礼致しました。選挙結果には満足なさっている方も、残念な結果に捲土重来を期している方もおられると思います。共に今後のご健闘をお祈り致します。 毎回悲喜こもごもの人生模様を描き出す選挙ですが、友人の阿部知子さんが南関東比例区から社民党で赤絨毯を踏むことになりました。千葉徳洲会病院の院長を務める2児の母ですが、以前湘南鎌倉病院の小児科部長をしていた縁で、神奈川からの立候補となった様です。彼女と初めて知りあったのは東大の駒場のキャンパス。毎日がお祭りのように賑やかだったキャンパスの集会の、祭りの輪の外側で、不安げにアジティーションに耳を傾ける可愛い姿がありました。その後私は塀の中に入り、彼女は本郷の医学部に進学して、3年後私が駒場のキャンパスに戻って来た時には、彼女の姿はありませんでした。再び出会ったのは、諏訪中央病院名誉院長の今井澄参議院議員や山形の徳洲会病院の村田院長など、かっての青年医師連合のメンバーが中心となっている地域医療研究会の総会の場です。かって医学連や青医連に集った若者も今や大病院の幹部となり、地域の医療の中軸として、沢山の医師や看護婦等のスタッフを引き連れて都心のホテルに集まっています。新薬の臨床治験の仕事も手伝っていた関係で場違いな所に顔を出した私の目の前に、自民党の小泉厚生大臣の挨拶を受けるなんてかっての全共闘も堕落したものだと、憤然として会場を去ろうとする彼女の姿があったのです。そこにはもう、お茶大付属から進学して来た、あどけなく頼りないお嬢さんの面影はありませんでした。 かっては駒場で学生運動をしていても、本郷に進学すると“上がり”ということで足を洗い、続ける人間だけずっと駒場にとどまったものです。ただ東大全共闘の運動は全学的に盛り上がったので、“上がった”積もりで本郷に進学した者も再び参加することになります。生協運動にドップリ漬かっていた矢野コープ東京常務理事と私の二人を駒場に残して法学部に進学した41年入学の文科T類E(中国語)クラスの23名の仲間からも3名が安田講堂に籠城し、警察に捕まります。後に彼等は全員弁護士になりますが、法学部闘争委員会の仲間には今回も徳島から当選した民主党の仙石由人代議士もいます。その仙石氏にDネットの新年会で“お前もそろそろ立候補しないか”と誘われたりします。幸か不幸かサラリーマンを止めて独立したので、落選しても職を失って困ることはないのですが、今一つ意欲が湧きません。故郷秋田の貧しさやアメリカのベトナム侵略に憤り、中国文化大革命に希望を見出して学生運動の先頭に立った者として、方法は論外として、青春の志だけは失いたくないと、自分なりに色々あがきはするのですが、“トモ子ちゃん”のように自民党の小泉大臣の顔を見て憤然と会場を去るほどのものが何か、不足しているのかも知れません。持続して炎を燃やし続けて来た者と、かって激しく燃えてほとんど燃え尽きてしまった者の違いなのでしょうか。 ◎三度び中国へ 昨年、中国の黄土高原の緑化に取り組むNPO「緑の地球ネットワーク」の植樹ツアーに3月と7月の2度参加したので、今年は趣向を変え、5月の連休にイオン環境財団の北京郊外の万里の長城近くに木を植えるツアーに参加する。4月30日(日)から5月6日(土)までの予定で千7百人の大部隊が数班に分かれ北京に入る。私は上海に1泊し、西安に2泊、3日の夜北京に入る。翌朝、宿舎から40数台の大型バスに分乗、料金所もノンストップで八達嶺まで走る。私達の車が通り過ぎるまで途中のインターでパトカーが他の車をシャットアウトしている。昼まで現地のボランティアも併せ2千人で、万里の長城を望む八達嶺の急斜面にモンゴルナラ等の苗を植える。せっかく植樹に来たのだから午後のスケジュールも植樹を選ぶが、大半が万里の長城の観光に出かけ、残ったのは70人ほど。植樹もする観光旅行という訳である。 対して緑の地球ネットワーク(GEN)の7泊8日のツアーは大同の雲崗の石窟や懸空寺、日本の軍と炭坑資本が病気に罹り働けなくなった中国人坑夫を生きながらに埋めたという万人坑の見学に1日、北京で1日遊ぶだけで、あとはひたすら日本の1.5倍の面積がある山西省の黄土高原に乾いた土埃を上げてバスを走らせ、植樹し、現地の人達と交流する、観光もする植樹ツアーです。観光もかって大同が北魏の都として雲崗の石窟や懸空寺を残すほど栄えても、森を失い、水を失うと繁栄をも失うということ、そして中国と日本の関係の歴史を学ばせたいという高見事務局長(S41年東大三鷹寮入寮)の意図からです。 しかし、GENの観光もする植樹ツアーの参加者は1回精々30人前後なのに、イオン環境財団の植樹もする中国観光ツアーには千人単位の参加者がある。GENの事業予算は年間5千万円規模、職員4人の年収は一人250万円なのに、他方は・・・。官・民の寄付金主体のGENも事業収益を上げて規模の拡大を図れないか。極端な省エネタイプでカミさんも一緒に仕事をする高見君は別として、年収が小生の飲み代ほどの250万円では、いくら意義のある仕事でも長続きしない。NPOも職員にまともな給料を出せるだけの収益を上げられないか。そういう思いもあり営利企業のジャスコグループのイオン環境財団主催「『万里の長城・森の再生プロジェクト』日中友好・植樹ボランティアツアー〈人気都市周遊コース・上海・西安・北京7日間〉」なる長ったらしい名称のツアーに参加した訳であるが、地べたに穴を掘って防水シートで囲っただけのトイレで用を足し、余り美味しいとは言えない中華料理に文句も言わず、土にまみれて面倒な植樹などしなくて済む中国観光旅行は掃いて捨てるほどあるのに、半日とはいえ植樹もする中国旅行に20数万円も払って千人以上の人が参加するというのは、地球環境と日中友好のために素晴らしいことだと思う。又、GENもより多様なツアーを用意してもっと多数の人に参加してもらうことは可能だし、収益を上げ運動を拡大することもできるのではないだろうか。 ◎森と湖の癌センターを! 5月の最後の金曜日の26日に、恒例となった三鷹寮の昭和40・41年入寮生の第3回合同同期会を、先輩の遠藤昭弁護士と共同幹事として開催。自前の事務所を持つ遠藤先輩は余裕で準備ができるのに、文字通りのワンマンカンパニーの甘鯛(Tile Fish)は、仕事に追われ、名簿の訂正に手間取り遅れて参加。幹事が遅刻とはと皆にからかわれる。同期入寮の群馬県立東毛癌センターの澤田副院長も太田から駆け付けている。数百億円の予算で癌センターの建て替え計画が進み、澤田君が病院側の担当者と聞いて、お手伝いさせて欲しいという設備設計事務所を帯同、営業顧問をしている高橋カーテンウォールと日本ビクターの看板もぶら下げて、月曜日に病院に伺い話を聞いたばかりだ。 彼が小寺知事から森と湖の癌センターをつくれと言われているが、いい知恵はないかと言う。三菱商事から出向して財団法人国際生態学センターの企画部長をしている橋本先輩がいる。財団の常務理事で研究所長をしている宮脇昭横浜国大名誉教授が植生生態学の権威で、「ふるさとの木によるふるさとの森づくり」を提唱、新日鉄や東京電力の工場の周りなどにうっそうとした森づくりを実践し、イオン環境財団の『万里の長城・森の再生プロジェクト』も指導している。グラス片手に二人を引き合わせ、先ず癌センターで宮脇先生に講演してもらうことが決まる。月が明け11日の日曜日、財団法人国土緑化推進機構の緑化シンポジュームに緑の地球ネットワーク顧問の名刺を持って出席すると、群馬県の小寺知事もパネラーとして参加している。さっそく知事にも癌センターの周りにふるさとの木によるふるさとの森をつくることを提案。併せて設備設計事務所や高橋カーテンウォール、日本ビクターもPR。湖のほとりに「鎮守の森」に囲まれた癌センターができたら癒しの場として最高である。 ◎食料とトイレとエネルギーの素敵な“三角関係” 今回の中国植樹ツアーでは大都会の一流ホテルに泊まり、観光地巡りが主だったので、腹をこわして遮る物が何もない暗い公衆トイレに駆け込んだり、トーモロコシ畑の中に消える必要はありませんでしたが、ホテルの水洗トイレに勢いよく吸い込まれて行く水の中に、何キロも先の村からラバに水汲みのドラム缶を引かせて運ぶ黄土高原の農夫の姿が浮かんで見えました。早朝の上海の繁華街長安街で、側溝の蓋を開けてオマルの中のものを流す光景も目にしました。ギリシャでは紀元前1千年の昔に水を流した側溝の上に、穴の開いた石作りのベンチを置いた水洗トイレが既にあったと言います。昔から臭いものには蓋をし、水に流してしまおうという思想があったようです。 高橋和己は「日本の悪霊」の中で、戦前の思想弾圧で豊多摩刑務所に入れられた主人公(大本教の出口王仁三郎?)が、朝独房の扉の穴からオマルを出す光景を描いていますが、私が豊多摩刑務所の後身たる中野刑務所の独房に入った時は既に水洗トイレに変わっていました。3畳ほどの板張りの床の部屋の奥、鉄格子のついた窓に沿って壁にコンクリの流しが作り付けてあり、それに平行に水洗トイレがありました。流しとトイレの木の蓋を下ろすとそれぞれ机と椅子になり、真ん中に1枚の畳があって、それが夜はベッドになる様にシステム化されていました。 洋の東西を問わず、臭いものは水に流してしまおう。それがこれまでの歴史です。しかし産業革命以降の人口爆発と水資源、食料、エネルギーの不足、地球環境の破壊が、その見直しを迫っています。水を使わず臭いもしないトイレや、少量の水で済む水洗トイレを開発し、人間の排泄物を畑に返して食料を増産し、あるいは草食の家畜に食べさせて食肉を増産した上で、その排泄物や生ゴミからメタンガスや水素をつくり燃料電池の原料にする。新しい資源をほんの少し投入するだけで、トイレを媒介に食料とエネルギーが自給できる技術が完成真近かの様です。それぞれをバラバラに考えるのではなく、「次世代トイレ研究会」で総合的に考えると、そんな近未来の生活システムが見えて来ます。東京電力が牛肉を売り、東京ガスが電気を売る。TOTOが家庭のし尿も分解する生ゴミ処理器で生産した堆肥を農場に運ぶシステムを運営する、そんな時代がいずれ来そうです。 ◎「道の日」記念・・奥の細道路上観察シンポジューム 小生をも尻に乗せ、5月の越後路から、8月2日〜4日の越中・若狭路へと馬脚を進める路上観察学会ですが、8月10日の「道の日」を記念し、仙台で「奥の細道路上観察シンポジューム」が開催されます。「みち」や「まち」、その周辺を注意深く観察する「路上観察」は、「みち」の魅力や価値の再発見、「これからのみちづくり」への活用が期待できます。ユニークな視点から「道」を実際に歩いて調査活動を続ける路上観察学会が、咋夏から今春にかけ芭蕉が行脚した「奥の細道」の行程(東北地方)を踏破しました。その観察成果を活用し、道路行政関係者の他、広く一般市民も対象に「新世紀の、道と人と文化と街」についてのシンポジュームを開催しますので、奮ってご参加下さい。 ★開催日時/場所 ○日 時 平成12年8月10日(木)13時半〜16時(13時開場) ○場 所 電力ホール(1千人収容) ○主 催 「道の日」記念実行委員会 ○後 援 東北地建、JH東北支社、青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県、仙台市他を予定。 ★シンポ概要 ○メンバー [パネリスト] 赤瀬川 原平[芥川賞作家、画家] 南 伸坊 [イラストレーター] 藤森 照信 [東大教授、建築史家] 林 杖二 [作家] 杉浦 日向子[江戸風俗研究家、NHKお江戸でござるコメンテーター] [コーディネーター] 松田 哲夫 [編集者、TBS王様のブランチコメンテーター] ★式次第 ○挨 拶 田崎 忠行 東北地建局長 ○品評会 「“奥の細道”路上観察」 ○パネルディスカッション 『みちのくの道 魅力再発見!』〜「道」と「人」と「文化」と「街」 ◎中台関係のこれから・・・第32回三鷹クラブ講演会 今回は若林正丈東大教養学部教授(台湾学・S43年入寮)に中台関係のこれからについて講演していただきます。 この度の台湾総統選挙で「台湾独立」を綱領に掲げる最大野党の陳水扁候補が当選後、5月20日の新政権の成立前後にかけて、海峡をはさんで激しい舌戦が繰り広げられたことは、記憶に新しいことです。又、前回の総統選挙の際には李登輝前総統の「中台は特殊な二国間関係」とした“李登輝原則”を巡ってミサイルが飛び交い、一気にアジアの緊張が激化しました。 激しい舌戦の陰で前政権よりも現実的にみえる新政権が、通商・通航・通信の三通関係をどうするのか。中台のWTOダブル加盟が実現すれば中台の経済関係はどうなるのかなど、中台関係のこれから、ひいては日中関係のこれからについて、数少ない台湾問題の権威で、マスコミにもよく引っ張り出される若林教授に論じていただきます。 若林教授は長野高校出身で、43年に文科一類に入学、第二外国語に中国語を選び、教養学部国際関係学科に進学しました。そこで“文化大革命”の旋風渦巻き、“毛沢東熱”の流行る駒場のキャンパスで、当時では珍しく冷静に“台湾”を研究テーマとして選び、そのまま大学に残りました。中国語クラスと三鷹寮に2年先に入りながら、“毛沢東熱”にかかりそこを脱出するのに5年ほど遅れた小生の様な存在と同室にもなり、時に惑わされながらも?!研究者の道に突き進んだ若林君の冷静沈着な分析が期待されます。 ◎最後に 6月20日に学士会館で三鷹寮開寮50周年記念の会が行われました。皇居で不幸があり、講演予定の第一期生の鎌倉宮内庁長官には参加していただけませんでしたが、現役の寮生、東大の教職員、文部省からも前国際学術局長の長谷川国会図書館専門調査員、芝田留学生課長にも参加していただき、盛大に行われました。今年グンゼ産業に就職した汪君や寮委員の趙君などの留学生の顔もあり、五月祭への留学生の参加も合わせ三鷹寮50年のネットワークがグローバルに展開する手応えを感じます。 そうなると、パソコンを操りインターネットを使い、英会話くらいはと思うのですが・・・先ずは寮で同期の関西ドコモの剣持取締役に責められている?iモードに取り組まなくては!デジタルデバイドなる言葉が現実味を持って迫って来ます。本当に必要なんでしょうか?もっと単純で扱いやすく、ワープロ並に親切なパソコンを! | |
アマダイ通信メニューへ戻る→ | |
Copyright (C) 2002 TFN All Rights Reserved. |