TFN

アマダイ通信  NO.25       2001年春     

注)文中に出てくるはアマダイこと不肖干場革治のことです。
(Tile Fish Network Letter)

 知人・友人各位
 21世紀最初の花の季節となりました。小平にも所々残る梅林に紅白の花が咲き、我が家の脇を流れる小平用水の公有地の土手に勝手に植えたヒヤシンスやチュウリップ、水仙も元気に頭を持ち上げ、恵みの雨が降る度にその影を濃くします。世紀が変わってもこの国の政治や経済は混迷を深めるばかりですが、厳しい寒さを耐え、恵みの雨を受けて花開くのは何時になるのでしょうか。

◎不良債権処理の流れ変わるか?
 今年度の決算で、熊谷組とハザマにそれぞれ4千数百億円と千数百億円の債権放棄が金融機関から行われ、問題ゼネコンの再建策が一通り整った。しかし、これで不振ゼネコンの経営が軌道に乗り、金融機関の不良債権問題が解決するだろうか。かっては年間売上を1兆円の大台に乗せたもののそれと同程度の借金を背負った会社が、借金を半分棒引きしてもらったところで、売上が半減し、利益も激減した今、残った借金を順調に返して行けるほどの利益を上げることができるだろうか。それに時価会計の導入による株や土地の時価評価によって、再建計画の前提も崩れつつある。まして時代は、財政悪化と公共事業の見直しで、更なる市場の縮小という流れにある。
 過日、スーパーゼネコンに営業に行った際、東大三鷹寮の後輩の財務担当者と話す機会を持つ。顧問先の高橋カーテンウオールと同業のPCカーテンウオールの子会社があるので、小田急建設や東急建設さん等もPCの子会社を清算したから、そろそろお宅もするんじゃないの?と尋ねと、もう清算のための引き当て金は積んであって、そんなことはどうということはなくて、もっと大きな問題があるんだと、頭の痛い様子。どうせ清算するなら早くやってくれれば、ゼネコンの傷も少しは浅くなるし、こちらも営業しやすくなるのだが、不良債権の処理が進んでいるといわれるスーパーゼネコンでこれである。
 銀行とゼネコンのもたれ合いで、銀行の体力に合わせて不良債権に見合う引き当て金を積むだけの間接償却と中途半端な債権放棄でズルズルと先き延ばしになって来た不良債権の処理であるが、それでは株価と地価の更なる下落でもう一度同じ事を繰り返さねばならないという蟻地獄。担保に取った土地を処分するなどして債権を回収し、不足分を実際に償却して不良債権を銀行の資産から最終的に消してしまう直接償却が必要なのだが、それでは対象となる企業は勿論、体力の無い銀行も倒産し一時的に失業者も増えるので政府も、巨額の償却に耐えられない銀行もこれまで先送りして来た。だが柳沢伯夫金融再生担当大臣(S32年東大三鷹寮入寮)の再登場でいよいよ待った無しの状況になって来たようである。
 確かに勤労者にとって職を失うということほど辛いことはない。どうして?という声に耳をかさずに高橋カーテンウオールを止めてエコビジネスに走って結局失敗し、失業の淵に立った者としては身につまされる。前職の月給の7割、それも30万円が限度の雇用保険を貰っても20万円の住宅ローンを払うと10万円しか残らない。それも自己都合で止めた場合は七か月、会社都合でも十か月しか支給されない。私はどうにか独立し周りに支えられて食いつないでいるが、この時世に、真面目に勤めて来ただけが取り柄で特技もない中高年にそんなに簡単に職が見つかるか。しかし、事ここに至ってしまった以上、不良債権の抜本処理と金融改革、それをテコとした産業再編は避けられない。

◎クリスマスにニューヨークでインターネットカフェ
 駒場の中国語クラスの最初の同級生であった、ソニーアメリカNO2(エグゼクテブバイスプレジデント)の李洋憲君が近々任を終えて帰国するというので、急遽大学生の娘と安いパックを探して初めてニューヨークに飛び、クリスマス休暇中の李君に案内してもらう。ブロードウエイの安ホテルまで迎えに来てもらいコリアタウンの行きつけの店で昼食をご馳走になり、対岸の公園から自由の女神を眺め、中華街やイタリア人街をぶらつき、お上りさんで大行列のエンパイアステートビルは翌日に回し、メーシーズを覗く。クリスマスの買物客で大混雑のメーシーズで李君はネクタイを数本買うが、私の好みのネクタイはない。
 クリスマスイブを異国で彼氏と離れて過ごすことが気になるのか、娘はインターネットカフェを探す。ようやく見つけてメールを送ろうとするも、ここはニューヨーク。日本語では入力できない。英語で入力しようとしても日頃の不勉強がたたったか、女子大3年の娘の英語力では思うように行かない。中・韓・英・日と四か国語を操る李君の助けを借りてようやくメールを送りほっとした様子。広い店内を見渡すと何組かの日本人がいて、中にはニューヨークに着いたばかりだがホテルがみつからないと、インターネットで探している若者もいる。それにしてもインターネットを使い放題で1ドル、コーヒーまで付いている。
 夜は国連本部近くの高級レストランで李君に海鮮料理をご馳走になり、巨大ロブスターに挑戦。イブの夜なので店内は空いているが、普段はなかなか予約できないという。前夜時差のせいか眠れず、12時過ぎてから酒を飲めるところを探してブロードウエイを徘徊し、ショットバーで白ワインを数杯飲んだというと、何て無茶なことをと李君。景気が回復、ニューヨークの治安も良くなったと日本では報道されているが、それほどでもないらしい。娘が明日はハーレムでゴスペルを聴けないかと尋ねると、良く知っている人に案内してもらうのでなければ止めた方がいい。自分は夜中にハーレムを通らねばならない時はフルスピードで、赤信号も無視して車を走らせるとのこと。人通りの多いところには必ず露店があって、黒人がアタッシェケースを広げて時計や宝石を売り、大風呂敷?にNYブランドのTシャツや帽子など色々な商品を広げて売ったり、背中に担いで移動している。中華街ではそんな黒人の露店に挟まれるようにして、真冬の凍てつく地べたに正座し頭を垂れて物乞いをする一人の大柄な白人の男がいた。ニューエコノミーが喧伝され、空前の好景気に沸くニューヨークにしてこれであるから、ネットバブルがはじけ、景気の後退が始まったこれからは、黒人の露店商や物乞いの白人も増えるのだろうか。

◎陽は沈み、陽は又昇る
 失われた十年と言われ、長い不景気のトンネルから抜け出せない日本であるが、夜中だからと言って街中を信号を無視してノンストップで走らなければならないほど危険な街はない。いかがわしい所で、泥酔するまで飲む訳でないからかも知れないが、恐ろしい「新宿鮫」や「中国マフィア」が徘徊するという歌舞伎町(と言っても職安通りより手前であるが)でよく飲み歩いても、身の危険を感じたこともない。インドのように交差点で車が止まると子供が走り寄って来て、金をくれと手を突き出されて困惑することもない。中国の黄土高原のように半日掛かりでドラム缶1本の水を手に入れ、その水で家族4人が5日も暮らさなければいけないということもない。失われた十年の間も国内総生産(GDP)は4百兆円から5百兆円と百兆円も増えている。あの大国ブラジル1国分である。
 勿論、警察システムを維持するために税金を払い水道料も払っているが、それ以上の個人負担はなしで安全と水が「ただで」手に入り、この十年間曲がりなりに経済も成長している。それなのに国民は閉塞感に苛まれ、自信を失い、へそを出してサンバを踊りまくるどころではない。個人消費のパワー不足が叫ばれるが、使える金がない訳でもない。政府は6百数十兆円の借金を抱えていても、その倍の千3百兆円の金融資産を国民は持っている。外国から借金している訳ではない。逆である。それでいて身を固くして財布の紐を緩めないのは、少子高齢化、経済のグローバル化、情報化が進む中での国と個人の将来展望が描けないからであろう。明日の糧も定かでないのに踊りまくるよりは健全であるが。
 確かにJR共済や農業共済が民営・合理化や農業人口の激減で年金負担者に比べて受給者が増えて現に破綻するのを見ると、国民年金や厚生年金もいずれ同じ運命を辿るのではと連想し、大型倒産やリストラが続けば明日は我が身と身構える。子供が少なくなれば受験産業も斜陽化し、学校もいらなくなり、先生も余る。しかし別の発想をすれば、その分子供にかかる経費が少なくなり、介護や年金に回せる、あるいは教育の充実に使えるということでもある。余った学校は介護や社会教育の施設に使ってもいいし、先生も介護や社会教育に回ってもらえばいい。先日新宿東口の駅前を歩いていたら東進PCスクールなる看板を見つけた。利に敏い東進スクール・ハイスクールの永瀬兄弟(S43年、45年東大三鷹寮入寮)の潟iガセが経営するパソコンスクールである。斜陽化する受験産業も目端が利けば社員教育や社会人教育へウイングを広げて生き残りを図る。
 政府も過剰雇用のゼネコンのために無駄な公共事業に大盤振舞いするのではなく、流通や金融も含めて、淘汰すべきものは淘汰して新陳代謝を促す。そこから吐き出される過剰雇用についてはITや介護、環境、バイオなど新しい分野について再教育を受けることを条件に、雇用保険を手厚く給付する。同時に雇用の受皿作りのために新分野へ重点的に公共投資することで産業構造の転換も進み、グローバルな競争にも勝ち抜ける。少子化については年齢や性による雇用差別の撤廃を進め、働く意欲のある高齢者や女性のための働く場と支援のシステムを作ると同時に、留学生をはじめとして一定の条件の下に外国人を積極的に受け入れることで、活力ある社会を作ることができる。70年代に英国病と馬鹿にされたイギリス経済は今や好調で、他方、紀元前に四大文明発祥の地として栄えた中国やインドは長い間の貧困からいまだ抜け出せずに呻吟している。ピンチをチャンスに変える意欲と工夫さえあれば、陽は沈んでも又、昇る。だが、ただ黙って手を打たずにいては、陽は沈んだままで、闇は濃くなるばかりです。

◎小さな巨人とベンチャービジネスを宜しく!
 ピンチをチャンスに変えて失業の淵から立上がり、いずれはと思っていた情報仲介業での独立を果たし、どうにか飲み代くらいは稼げるようになったが、昨年の正月号で宣言したにもかかわらず、未だ自前の事務所を作れないでいます。あなたの様な人脈を持っていたら幾らでも稼げるのにと言ってくれる人もいますが、稼ぐ意欲が少ないのでしょうか。工夫が足りないからでしょうか。それでも毎月の活動費をいただける顧問先も少しずつ増え、成功報酬もたまに入ってくるようになりました。クライアントのためにも早く独立した事務所を構え、仕事の能率を上げるとともに、三鷹クラブや緑の地球ネットワーク、団塊政策研究ネットワーク等の活動拠点として機能させ、“やらずぶったくり”にも拘らず応援してくれる皆さんの期待にもっと応えられる様にしたいと思います。
 ところで、昨年12月には潟Pアコムと、1月には潟Aール・ケー・エムと顧問契約を交わしました。潟Pアコムは病院のナースコールのメーカーで、この分野で7割のシェアを握る小さな巨人です。関連する業界の日本ビクターから紹介していただきました。RKMはかっての“戦友”、元学芸大全共闘の板宮君の起ち上げたベンチャービジネスです。彼とは7回目の逮捕でようやく起訴され、足掛け3年中野刑務所で暮らすことになった、69年の11・16“佐藤訪米阻止闘争”でたまたま蒲田の先で同じ頃捕まったということで、裁判で一緒のグループになって以来の付き合いです。権力に強制された交際ですが、うまが合うのか今まで続き、今回は彼が起ち上げたシステム開発会社の応援をすることになりました。RKMでは滝谷建設工業(福島県建設工業会の会長会社)とタイアップした普請管理(土木工事の工程・予算管理のトータルシステム)と普請眼(超小型ビデオ探索システム)等を開発・販売しています。高橋カーテンウオール、日本ビクター、フドウ建研等と同様、この2社も宜しくお願い致します。
 
◎本業は何なの?
 北京からこんな質問が届きました。色々な会社の営業顧問をして生計を立て、合間に三鷹クラブや緑の地球ネットワーク(GEN)、団塊政策研究ネットワーク(D−NET)、次世代トイレ研究会等の活動に首を突っ込んでいるからでしょう。強いて答えるとネットワーカーということになると思います。甘鯛(Tile Fish)ネットワーク上を色々な情報が行き交い、私が仲介します。たまたまその仲介先が営利企業で、その会社の利益に結び付けばその会社から報酬をいただきます。継続的にその会社が利益を見込めるようであれば、基本的に顧問契約を結び定期的に活動費をいただくと共に、成功報酬についても協定します。相手方が非営利の団体なら仲介しても原則的に対価はなしというか、活動費も貰えないので当然持ち出しということになります。その代わりそれは社会的に意義があって、私が興味を持てる活動です。
 私が営利活動だけしていれば、頼りとする先輩・友人諸兄にとってあいつはちっとも面白くない奴だとなって、あっちへ行け、こっちへ来いと誰も情報は提供してくれないでしょう。他方、ボランティア活動だけしていたら、仕事にならないと営業顧問先は皆離れてしまいもう一度失業するでしょう。実際、干場さんのやっていることは社員にわかりにくいと、顧問料を打ち切られたこともあります。だから営利・非営利のどちらがという訳ではなく、両方引っ括めて情報仲介・ネットワーカーが本業だということになります。そして両方がバランスすることでネットワークも広がり、密になり、双方向性も持ち始めます。 北京で長いこと旦那さんと貿易業を営む能代高校の同級生の悦ちゃん!(杉山〈旧姓佐藤〉悦子)こんな説明でわかってもらえますか。今年も悦ちゃんの帰省に合わせて在京の同期会を2月にと思っていたのですが、お母さんとご兄弟を含めて中国旅行をするので里帰りしないと聞いて、気が抜けたか延び延びになっています。これもしばらく開催していない駒場の41年入学の文系の中国語クラスの同期会を、ソニーの李君の帰任に合わせてこの16日に行うことにしましたので、それが終わってからセッテングしたいと思っています。
 今年は秋に広西壮族自治区南寧市で広西壮族自治区人民政府、スウエーデン国際開発協力事業団、ユニセフ、UNDPの共催で「第1回エコロジカルサニテーション国際会議」があるので日本トイレ協会会員として参加してみたいと思っています。エコロジカルサニテーションシステムは環境汚染を防ぎ、人間のし尿中の病原体を死滅させ、し尿中の栄養分を土壌に還元させるトイレシステムで、90年代に多くの国々で調査、研究、開発奨励の対象となって来ました。それらは現在、特に中国において、より広い規模で使われ始めていますが、農村部と同じように都市部でも適用可能か検証する会議です。又、緑の地球ネットワークの高見事務局長には3月と7月のツアーではなく、6月くらいにでも大同においでよと言われています。多分今年も一度くらいは北京にも寄れると思いますが、悦ちゃんも一度大同に足を運びあの広い黄土高原で植樹しませんか。北京からほんの3百キロ(東京−新潟間ほど)、列車で7時間の所にもう一つの中国があります。

◎中国黄土高原緑化パネル展・・・遊ぼう!!京都駅ビル
 黄土高原を撮り続ける写真家橋本紘二氏の写真展「写真報告/中国黄土高原、砂漠化する大地と人びと」が4月1日から8日まで京都駅ビルインフォメーション前(南北自由通路)で開かれます。砂漠化する大地の緑化を訴えることで、環境負荷の少ない交通手段としての鉄道をアピールする趣旨です。希望に胸膨らませる大学1年生と花見客で賑わう、京都の一番いい季節にJR西日本と京都駅ビルのご協力を得て開催の運びとなりました。この機会に素敵なホテルと京料理の京都駅ビルを拠点に、花の京都を楽しみませんか。  今回もJR西日本の南谷社長(S35年三鷹寮入寮)始め沢山の方々にお世話になりましたが、これを期に大阪駅や名古屋、東京駅でも開催できたらと思っています。

◎GEN10周年記念シンポジューム
 NPO法人緑の地球ネットワーク(GEN)の高見邦雄事務局長(S41年三鷹寮入寮)が92年1月に山西省大同市の黄土高原で徒手空拳で緑化協力を始めてから早や十年。かってこの地には森林の恵みを背景に豊かな文明が発達しましたが、皮肉にもその文明が緑をはぎ取ってしまい、砂漠化が急速に進んでいます。4百ミリほどの年間降水量の3分の2が夏の一時期に集中し、土壌を流し、土は劣化して植物が育たなくなります。環境破壊と貧困の悪循環から抜け出すため、現地のカウンターパートナーの青年連合会や農民と共に、精力的に植林を続けています。山地や丘陵地に松を植え、貧しい村の小学校に果樹園をつくり、さらに育苗や植栽の技術などソフト面での協力も追求しています。
 この間沢山の困難に遭遇しながらも、中国と日本の多くの人々に助けられて、草の根緑化協力を大きく発展させることができました。10年という大きな区切りに、これまでの経験を振り返り、到達点を確かめ、これからの在り方を共に考えたいと思います。
★テーマ 「黄土高原草の根緑化協力の10年とこれから」
★パネリスト 鈴木和夫(東大大学院教授、森林植物学) 高見邦雄(GEN事務局長)
        遠田 宏(元東北大学理学部付属植物園長、GEN顧問)
★コーディネーター 上田 信(立教大学教授、GEN世話人)
★日時 2001年6月8日(金)午後6時半〜9時(閉会後、懇親会の予定)
★会場 木のアトリューム(関東森林監理局東京分局 03−3699−2530)
     東京都江東区東陽6−2−11(地下鉄東西線木場駅、東陽町駅下車10分) 
★申込先 緑の地球ネットワーク事務局(06−6583−1719)       
★参加費 500円         (FAX06−6583−1739)

◎地方分権による教育再生と地域の活性化・・・26回D−NET政策研究会
 最近、「大学生の学力低下」、「ゆとり教育の弊害」が話題になり、広く議論される機会が増えてきましたが、この議論に最初に火を着けた中心人物の一人、京都大学経済研究所の西村和雄教授を講師に「地方分権による教育再生と地域の活性化」について講演していただきます。
 西村教授は一番注意を惹きやすい「学力低下」や「ゆとり教育」を話題にしていますが、本当の狙いは文部省の中央集権教育を崩し、教育の地方分権を進めることにあると言います。昨年来、D−NETでは東大の神野先生をお招きし、社会的なセーフティネットを作り直し経済を活性化していく上で、地方分権が要になることを学びました。又、前回の政策研究会では自治総研の島田さんから地方自治の視点から見た市町村合併の問題点を学びました。そこでは教育への投資や初等中等教育の在り方が活力ある地域つくりに欠かせないことを知ることができたように思います。そこで今回は、教育と地域の関係に焦点を当て、学力低下問題への対策も含めてお話を伺ってみたいと思います。
★日時 2001年4月6日(金)午後6時半〜9時(閉会後、懇親会)
★会場 神田学士会館(03−3292−5931)
     東京都千代田区錦町3−28(地下鉄半蔵門線、都営新宿線神保町駅下車)
★参加費 2千円(会員)・3千円(一般)(軽食付)
★申込先 D−NET事務局(03−3265−5360)

◎省庁再編と政治の役割
 1月25日の団塊政策研究ネットワークの新年会では会員で内閣府副大臣である自民党の坂井隆憲衆議院議員に講演していただきました。以下、その抜粋を記します。
 21世紀に向けて、複雑な政策課題に的確に対応できるよう、省庁が1府22省庁から1府12省庁に再編成されました。それと同時に各府省において、政治主導の政策決定を行いやすくするために、大臣のもとに「副大臣」や「大臣政務官」が設置されました。又、この度の省庁再編では、首相官邸機能が非常に強化されています。従来、官邸は官房長官を含め忙しいことが多かったので、内閣官房を補佐するために「内閣府」を設けました。内閣府には、経済財政や総合科学技術、防災、男女共同参画について、政府内外の人材の英知を結集した、重要政策に関する会議を設置しました。他に特殊な内閣府の業務として沖縄・北方対策と金融があります。これらには新設された特命大臣が置かれます。
 そして今回、私は総務省の副大臣に就任しました。私はこの省庁再編ができて次のように考えています。公務員法によると、公務員も政策を立案・執行する機関となっています。そうすると内閣府というのはどちらかというとブレーン機能(総合調整機能)ですね。各省庁はその中で具体的な政策を提言したり、あるいは今度の財務省(旧大蔵省)は、その方針のもとで細かい予算査定をしたりという仕組みになろうかと考えています。昔風に言いますと、明治維新の頃の参議という制度ですね。参議は各省大臣を兼ねていたけれど国政全般について議論しました。例えば征韓論までね。内閣府も最終的にはそういう感じになるのかなと。最終的には運用、つまり人の問題ですね。政策というのは、政治が自ら発信して、それを各省・各大臣に下ろして行くようにしなければいけません。各省大臣から上がって来るのを待っていると、従来の総理府や経企庁のようになってしまいます。この運営は非常に難しいのですが、その試金石を半年・一年間やるのかなと思っています。
 私個人的に言えば、今回の省庁再編を有意義に使って、日本の国のこれからの課題に対処していきたいですね。子供の数が少ないですから公務員の数は増やせませんが、一方行政サービスは増やして行く訳です。すると、独立行政法人化や民間委託の推進によって行政をスリム化して行くのは自然の流れです。問題はその中でどういう政策を提言して行くかです。日本には個人金融資産も沢山あるのですから、それをうまく活用して行けば新しい日本が必ず生まれてきます。ゲノムの問題にしても、蛋白質の解明については日本は非常に進んでいますから、それを推進すれば今からでも間に合うと思います。そういうものを含めて21世紀の日本のグランドデザインについては心配しなくていい。預貯金があるんだから、これをうまく回転していけば個人の老後の生活も心配ない。ただ、本当に困っている人、障害者とか被災者とかには行政サービスを手厚くしていく。こういう国づくりをしていきたいと思っています。

◎2001年の政治状況と動向
 同じくD−NETの新年会の講師をして下さった、同じ団塊世代の弘中喜通読売新聞政治部長の講演を以下に抜粋します。
 昨秋の加藤さんの乱は読み切れませんでした。たまたまあの話をされたのが、うちの社長が非公式に催している会合の席で、他に政治評論家の方も何人かいらっしゃいましたが、あの加藤さんがというのが、ほとんどの人の反応でした。読売新聞の渡辺社長以下がけしかけたんではないかと世上で言われていますが、加藤さんはある程度、行動を起こすということをおっしゃろうということで多分その時に出て来られたんだろう。加藤さんがなぜあそこまで思いつめたかというのは、やはりそれは加藤さんご自身もおっしゃっていましたが、今の政治の閉塞状況というのが一番大きかったと思います。心象風景はどの程度のものかわかりませんが、かなり自民党の将来に対する悲観的な見方というものがあったんではないかと思います。結局失敗に終わって、加藤さんには非常にダメージだった訳ですが、元々政局感というのがシビアな方ではありませんので、やっぱり甘い。それが裏目に出たのかという感じはしております。
 先ほど坂井さんは建前論を非常におっしゃって、建前の通りに政治がいけば非常にいい政治ができるんだと思いますが、現実の政治は必ずしもそうではない。多分、93年に自民党の単独政権が壊れて連立政権ができて、これで日本が変わるかなと思った方が相当いらっしゃったと思うんです。それから7年経ち、現実の政治がどこまで変わったかと言うと、1年経ったら自民党が政権に戻って、しかも今、自民党主導の政権という状況に変わりはない。公共事業の裏にはやはり、お金を付けるという非常に大きな自民党なりの戦略がある訳で、そのパターンは基本的に変わっていない。
 政治と言うのは権力の争奪戦で、いかに多数を握るというのが重要な問題ですが、自民、公明、保守の与党3党が参議院で過半数を取るには、今度の選挙で少なくとも63議席を取らなければいけない。仮に与党が過半数を割ったら、元々今の与党は参議院で過半数を取るための連立政権であった訳で、意味合いが違って来ます。公明党の動きが一つのキーポイントになると思います。もう一つは、先程建前と人間関係の中でも申し上げましたが、自民党という政党は理念、政策というよりは政権を維持するという1点で結ばれている政党ですから、その政権がかなりやばい状態になって、自民党の中はどうなるんでしょうか。政局の流動化が起こる可能性もあります。

◎造幣事業の昔と今・・・36回東大三鷹クラブ定例講演会
 3月は恒例により大阪で開催します。講師は筑紫勝麿財務省造幣局長(S40年入寮)です。造幣局は桜の名所としても有名ですが、大阪に本拠を置き、東京に支局がある唯一の中央官庁です。筑紫さんは最近も税関長として大阪に勤務された経験もあり、質疑の場では様々な視点からの意見の交換を期待したいと思います。
★日時 2001年3月21日(水)午後6時開場、7時講演開始          ★会場 大阪弥生会館(北区芝田2−4−53 06−6373−1841)    ★会費 5千円(夕食代含む) (閉会後、ホテルグランビア内「アブ」で2次会予定)★申込先 平賀俊行(FAX03−5297−5020 03−3256−0559)
                  
◎留学生への支援をありがとう
 通信23号で「東京大学外国人留学生後援会」を通じた留学生へのカンパを呼び掛けたところ、30名ほどの方から約30万円いただきました。ありがとうございました。大学や寮のOBのみならず、かって横浜警友病院新築工事でお世話になった中戸川元事務局長、照明器具の東芝ライテックの森岡営業部長、能代高校同期で東京で工務店を営む佐々木正明君、1年下で画廊経営の田村規清君、D−NET会員で博多の整骨院の中並キヨ子さん、昔の家庭教師先の病院の事務長だった土屋さん、上海出身でソフト会社且ナを経営する魏芝さんなど色々な方から、ご支援をいただきました。ありがとうございました。
 11月までに5千円以上送っていただいた方には文春文庫「華の東海道53次路上観察」を送りました。その後お振り込みいただいた方には品切れとの多忙・怠慢のためまだ送っておりません。夜飲むのを止めれば・・ともう一匹のが囁くのですが、これがなかなか・・。済みません。年に1回くらいは支援を呼び掛けたいと思いますので、今後とも宜しくお願いいたします。

◎iモードに入ったけれど
 ワンマンカンパニーに携帯電話は必携と、独立する時にヨドバシカメラで品定め。ドコモは通話範囲も広いが値段も高い。貧乏「起業家」には高値の華。京都、名古屋、恵比寿の駅ビル、東日本の本社の外壁でJR各社にも世話になっている。取り敢えず安いJR系のJフォンにする。だが長野、前橋、千葉、神戸、大阪守口とドコモさんにもお世話になって心苦しい。一度など設計事務所のNTTファシリティーズの高層ビルで鳴ってしまい「干場さん、うちの携帯はここでは鳴りにくいんだが」と、大冷や汗。だが名刺に刷り込むと今更番号を変えられない。その内、iモードがスタートすると三鷹寮同期の剣持関西ドコモ取締役から「干場、いいぞこれ、お前もやらなくっちゃ」と追い討ち。ついにドコに入るも、マニュアル嫌いのはこれまで基本料金を払うだけ。ところが最近はD−NETでも「Eメールをやらないのはお前だけだ。不便で仕方がない」と苛められます?そこで、清水の舞台から飛び降りる積もりでドコモの電話番号「090−2443−2469」を公表致します。今晩から酒を止めてマニュアルを読みます!?

◎甘鯛もオジイチャン・・・涸れて高級品に?
 25歳の長男に正月に娘ができも54歳にして早くもジイチャンに。涸れてようやく高級品の「銀座干し」(甘鯛の一夜干しの別名)になれるのでしょうか。
アマダイ通信メニューへ戻る→
Copyright (C) 2002 TFN All Rights Reserved.